元銀座のママと元小学校教師がPTA会長になって、ブラックPTAの改革に挑んでみた。

ブラックPTA改革に挑み、旧役員とママカーストと戦った元銀座のママと元小学校教師の記録です。

管理職とPTA

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皆さんはどんな人が、校長先生や教頭先生になると思いますか?

立派な教育理念のある人?

児童・生徒からの人望のある人?

 

答えは「管理職試験」に合格した人です。

先生を対象にした予備校まであります。

www.kyoueigakuin.com

 

職員室の上座に鎮座されている

校長・教頭(副校長)・主幹教諭は

みんな管理職試験に合格した人です。

 

試験内容は、自治体によって差はあるものの

小論文と面接がメインです。

 

学校教員の人事ピラミッドは少し特殊です。

教員1年目も定年前のベテラン教員も

業務量や責任の差はあるものの

基本的に仕事の内容は同じです。

どんなに頑張っても、給与に反映されることはありません。

(この辺の評価制度がきちんと整っていない事が

現代教育の根本的な問題でもあると考えています。)

 

勤務年数以外で給与を上げたいのであれば

管理職になるしかありません。

 

では、どんな人が管理職になるのか?

それはコネを作るのが上手な人です。

 

管理職試験には、校長の推薦状が不可欠です。

そのため、管理職を目指す教員は校長に媚びを売りまくります。

(※もちろん、志の高い管理職の方もいらっしゃいます)

 

 

学校のモラルは校長によって決まる

極論で言うと「学校のモラル」は校長によって決まります。

なぜなら、学校内で行われる活動の最終決定権は

すべて校長にあるからです。

 

どんなに多くの教員が希望しても、校長がNOなら

絶対に通りません。

会社で言う「社長」が「校長」な訳です。

 

しかし、この校長。

社長と同じように良い人ばかりではありません。

 

前段で申し上げたように

管理職に一番必要な条件は

熱意や正義ではなく「コネ」です。

 

そして、校長が最も重要と考えるコネ

それがPTA(地域の重鎮)なのです。

 

 

 

校長先生になろう! (BP Online book)

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それぞれのPTA

以前も書きましたが

公立の小学校というのは

いわば地域社会の縮図です。

 

良い人もいれば悪い人もいます。

健康な人もいれば、病んでいる人もいます。

 

現在の強制加入のPTAは

子どもを人質にして

この多様な人々に

単一のルールを押し付けている状態です。

 

それは子供のためでも、学校のためでもなく

「組織存続」のためです。

 

この多様な現代社会で

すべての人に賛成してもらえるシステムを作ることは

不可能であり、それを強制すれば「独裁」となるでしょう。

 

しかも、今の社会は「多数意見=正義」だと思われています。

また、正しい情報より刺激的な情報の方が拡散されます。

 

この改革で私は

「これらかは個の判断力が重要となる」

と強く感じました。

 

反対意見の無い世界などありません。

どんなに正しい意見であっても、反対意見は出てきます。

それが正常な民主主義です。

 

ただ、反対意見と誹謗中傷は全く別物です。

この線引きが日本人は苦手な気がします。

意見が違う人=敵ではありません。

 

何が言いたいかというと

「100人保護者がいれば、100通りのPTAが存在していい」

という事です。

現在のPTAで問題なのは「強制」である事だけです。

それは、心情やシステムの問題でなく

「法」の問題です。

 

違法状態の組織で、保護者が互いをなじり合う姿を

子どもたちに見せたいですか?

 

もっと肩の力を抜いて、組織ではなく個人の目線で

PTAを考えてみませんか?

 

 

 

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任意周知の向こう側

PTAの任意周知(入退会の自由)を考えるとき

まず懸念されるのが

「任意周知すれば、大量に退会者が出てしまう」

ことです。

 

私たちが目指した

①入会手続きの整備(任意周知)

②会費の現金回収(学校集金の廃止)

③組織改革(役員間の格差是正

は臨時総会で、②のみ可決され

①と③は否決されました。

blackpta.hatenablog.com

 

しかし、PTAが任意団体であることに

変わりはありません。

 

そこで私たちは最後の賭けにでます。

臨時総会の結果を知らせる手紙に

以下の文章を添えて配布しました。

 

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本当に入退会を周知すれば

退会者が多数発生するのか?

 

1週間経った結果は

 

 

 

ゼロです。

 

 

 

はい。0です(笑)

 

あんなにPTAに文句を言っていたのに、

実際に退会の手続きを申し込んで来た人は0だったのです。

 

正直に言うと、私はこの結果を予想していました。

今回の改革で、いまの多くの日本人が

「文句は言うが、行動する勇気が無い」

という現実をイヤと言うほど見ていたからです。

 

退会の問合せも個人的にはあったものの

「退会したいが、他の人にバレたくない」という

非常に消極的なものでした。

 

その「いいとこどり」の態度は

「ずるい」と言う理由で反対した人たちと

同じくらい無責任に見えます。

 

「いじめが怖い」という理由も

「学校でいじめがある事実を容認している」と同じです。

 

PTAに入っていないという理由で

子どもにいじめを指示する親は

PTAじゃなくても

「DSを持っていないから」「中学受験をしないから」

など自分の都合でいじめることでしょう。

 

私は娘に、そんな人と友達になって欲しいとは思いませんし

そんな人が中心となる集団にも属して欲しくありません。

どんな理由であれ、いじめが発生した時点で

然るべき対応(警察を含む)を取ります。

 

結論から言うと

日本はまだまだムラ社会で、内部圧力に対応できる

個の力を持った人は少数だという事です。

 

集団の中から抜けて、リスクと向き合い自由を手に入れるか?

集団の中で、一生文句を言いながら生き続けるか?

 

選択するのはアナタ自身です。

運命の臨時総会

2017/1/25(水)

運命の臨時総会が開かれました。

 

会員数 521世帯
出席者 85人
議決行使書 196枚
委任状 227枚
無効 1枚
出席者、議決行使書、委任状の合計509名

 

第1号「平成29年度より新入会希望者は入会申込書の提出をもって
入会の意思を確認し、児童在学期間においては自動更新とする。」

賛成 議決書122枚 出席者10名 合計132票
反対 議決書74枚 出席者67名 合計141票
よって本案は 否決 されました。

 

第2号「平成29年度よりPTA会費を専用封筒による現金集金とする。」
賛成 議決書110枚 出席者32名 合計142票
反対 議決書86枚 出席者45名 合計131票
よって本案は 可決 されました。

 

第3号「平成29年度より改編案に基づく新体制でPTA運営を行う。」
賛成 議決書79枚 出席者5名 合計84票
反対 議決書117枚 出席者77名 合計194票
よって本案は 否決 されました。

 

 

長い闘いが終わった瞬間でした。

言論の自由とその代償

私は言論の自由」と「責任」は

常にセットであるべきと考えています。

 

今回、私が執行部に立候補したのも

「自分がPTAを運営したことないのに、PTA批判するのは無責任である」

という考えからでした。

 

普段は理解のある、私の数少ない友人たちですら

「PTA改革などムリ」「ママたちを敵に回す」

「子どもがいじめらる」

などPTA改革に大反対しました。

 

しかし、私はまだやってもいない事を「できない」と言われ

完全にスイッチが入ってしまいました。

「できるか?できないか?は、挑戦しなければ誰にも判らない」

PTA役員が終わるまで連絡しない。と

ラインのグループも抜けました(笑)

 

結果的に彼らのいちばん大好物である

女性同士の超ドロドロ劇の一部始終を

リアルタイムで観るチャンスを逃した訳ですが(笑)

(※とくにドロドロドラマ大好きなゲイのF!ざまーみろーw)

 

今回の改編案への反対意見も

目先の自分たちの利益のみで

今後のPTA運営や他の保護者にまで配慮した

意見は皆無でした。

 

役員増員を要求し、大規模な反対運動を行い

最後には会長解任の署名活動までした団体Zは

この改革案が否決されたことにより

役員増員はおろか

運営の不透明さが

露呈する結果となりました。

 

また常々、PTA活動への不満を口にしていた

役員や会員たちは

「(批判が怖くて)決められない」と棄権に逃げたり

総会での反対派の数に圧倒され

直前まで賛成を表明していたのにも関わらず

反対に起立してしまい

環境改善のチャンスを逃してしまう事になりました。

 

私はシステムが改善されれば

人は幸せになれると考えていましたが

決断や責任が持てない人に

どんなに良いシステムを提供しても

兎に祭文なのかも知れないと

少し思い始めています…

 

 

 

言論の自由

言論の自由

 

 

鉄の女(自称 石原さとみ似w)

今回の怒涛のPTA改革は

すべて一人の女性から始まりました。

 

底抜けに明るくお人好し

強靭な精神と深い優しさを持った

(自称)石原さとみ似wの

元銀座のママである会長です。

 

通常、会長職は前年度の執行部などから

事前に選出しているため

多くのPTAでは選挙すらありません。

 

しかし、昨年度の執行部は

前会長がかなりのワンマンだった事もあり

次期会長が決まらないどころか

執行部の人間も一人も残らないという

異常事態のまま、新年度を迎えることになりました。

 

そんな時、手を挙げたのが

今年入学したばかりの、1年生ママであり

元銀座のママでもある現会長です。

 

「漁夫の利」的な超スーパープレイ(?)で

彼女は会長職に就きます。

 

そして、就任当初から

「任意周知(入退会の自由)」と「PTA改編」を目標に掲げ

行動を開始します。

 

会長職を行う為に、仕事すら手放します。

 

しかし当初、賛同者はほとんどいませんでした。

「1年我慢すれば終わるんだし、余計な事したくない」

 

消極的な役員たちに、それでも彼女は説得を続けます。

「いま変えなければ、今後も苦しむ人が増えるだけ」

多少の承認欲求はあったかも知れません。

でも彼女の覚悟は本気でした。

 

改革を相談されたとき

私は彼女にこう尋ねました。

「改革とは過去を否定することになる。

この短期間に、これだけの改革を

会長1年生のアナタがすれば

相当なバッシングは避けられない。

友人だけでなく、いろいろ失うかも知れない。

それでも本当にPTA改革やりたいの?」

 

彼女の答えは「YES」でした。

 

その後、通常の人であれば

自殺すら考えるほどの猛烈バッシングに

彼女は晒されます。

 

しかし、銀座仕込み(?)の強靭な精神力と

驚異的な行動力で、彼女は改革を進めて行きます。

 

すべてを犠牲にして、改革に取り組む彼女に

「なぜ、ここまでして改革したいの?」と聞くと

しばらく考えて彼女は

「…たぶん『人間好き』なんだと思う」と答えました。

 

そんな彼女だからこそ

私もここまで手を貸したのです。

結果は思うようには行きませんでしたが

自分の決断は間違っていなかった

今でも心から思っています。

 

 

 

 

集団心理(内部圧力)とPTA

日本でいう「良い子」の基準は

  • 友だちがたくさんいる。(信頼ではなく人数)
    「集団であること」


  • 先生の指示に従う。(指示の内容は重要ではない)
    「反論しないこと」


  • テストで出題者の要求する内容を回答する。
    (優劣の判断基準は出題者)
    「同調すること」
     

 つまり、日本における教育とは

「命令する側」と「従う側」という

主従関係のもと成り立っています。

 

これは、会社や地域

そしてPTAでも例外ではありません。

 

集団心理と内部圧力

みなさんはマズロー欲求段階説をご存知でしょうか?

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第1段「生理的欲求」:衣食に困らない

第2段「安全欲求」:住まいなどの安全が確保される

第3段「社会的(帰属)欲求」:集団に属して安心する

第4段「尊厳(自尊)欲求」:集団内で地位を得たい。他人から認められたい(=承認欲求

第5段自己実現欲求」:(他人に何を言われても)あるべき自分になりたい

第6段「利他行の実践」:ただ他者のために生きる

 

人間の欲求を段階的に分けたものです。

そして、多くの日本人が

第3段の「社会的(帰属)欲求」で止まっています。

  • みんなと違うのは可哀想
  • 仲間はずれにされてしまう
  • 一人は恥ずかしい

集団から阻害される事を、大人も子供を極端に恐れます。

それはやがて極端な内部圧力を生みだします。

 

集団と違う人間は許さない。許されない。

 

今回のPTA改革でも、

賛成派だった人達が、総会の反対派の数に圧倒され

反対に造反するという現象が起こりました。

 

これは、経済的な状況や学歴には関係しません。

大人でも集団から抜け出せない

精神的に未成熟な人が

現在の日本にはたくさんいるのです。

www.motivation-up.com

ameblo.jp

 

 

 

マズローの欲求階層説

マズローの欲求階層説