クレーマー バトル・ロワイヤル3 FINAL(1)
クレーム対応 FINAL
「Mission:最強ラスボス団体に対応せよ」
結論から書くと
この団体Zに今回の改革案を潰されます。
団体Zとの出会い
本校のPTAには「協力団体」という位置づけで
文部科学省が推奨するボランティアを行う団体があります。
それが団体Zです。
団体Zは放課後の教室や校庭を利用し
子ども達の遊びをサポートするボランティア団体です。
昨年の5月。
娘が参加を希望したため、私は団体Zの説明会に出席しました。
平日の午前中でしたが、団体Zを利用するためには
説明会の出席が必須という事だったので
わざわざ休みを取って参加しました。
団体Zの説明者は開始早々、声高に宣言しました。
「団体Zを利用するためには
保護者の協力参加(平日夕方)が必須となります。」
私は耳を疑いました。
そんな事は事前の資料には一切記載されていません。
参加者を増やして、逃げられないように
意図的に資料に記載していなかったのです。
5分おきに「保護者の協力参加が必須」を唱えた説明が終わり
質疑応答の時間となりました。
私は迷わず挙手しました。
「事前資料には保護者の協力参加が必須など一切書いていないですよね?
仕事をしているなど、お手伝いが難しい家庭の子は参加できないという事ですか?」
団体Zの答えは
「ハイ。協力できない方は資料を置いて帰ってください。」でした。
協力云々(でんでんではありませんw)より
騙し打ちされた事に心底腹が立ちました。
(※教育委員会への働き掛けもあり、今年度からは保護者の協力義務が事前資料に記載されるようになりました【4/25追記】)
団体Zの光と影
みなさんは「スタンフォード監獄実験」をご存知でしょうか?
世界で最も邪悪と言われる心理実験の一つです。
実験内容:
普通の人が特殊な肩書きや地位を与えられことによって、その役割に合わせて行動してしまう事を証明しようとした実験が行われた。スタンフォード大学地下実験室を改造し、刑務所が作られ新聞広告などで集めた普通の大学生などの70人から選ばれた被験者21人が送り込まれた。
実験期間は2週間で、21人の内11人を看守役に、10人を受刑者役にグループ分けし、それぞれの役割を実際の刑務所に近い設備を作って演じさせた。その結果、時間が経つに連れ、看守役の被験者はより看守らしく、受刑者役の被験者はより受刑者らしい行動をとるようになるという事が証明された。
私は、なぜ彼女たちが
こんなに団体Zの活動にのめり込んでいるのか
とても不思議でした。
しかし、それがこの悪魔の実験で証明された
「肩書き」や「地位」の力だったと知る事になります。
文部科学省が推奨するこのボランティアの
実質的な管理は、各市町村の教育委員会が行っています。
地域の子供に居場所を!という美しい理念とは裏腹に
活動内容や運営については丸投げの状態です。
当然、どの学校もボランティアの人集めに苦慮していました。
そこで団体Zは、この活動をPTAの役員経験にすることを思い付きます。
教頭へ要請を出し、団体ZはPTAの役員経験の座を手に入れます。
しかも2期務めれば、兄弟が何人いても永年役員免除という
PTA会長・副会長(こちらは1期)と同等の破格の待遇です。
これが、他の学校の団体だけでなく、教育委員会からも高く評価されます。
彼女たちの喜びがどれほどだったか、想像するに余りあります。
そして彼女たちにひとつの使命感が生まれます。
「団体Zの人数をもっと増やして、もっと褒められたい」
これが歯車が狂い初めてしまった原因だったのではないかと
私は思っています。