逃げるが勝ちとPTA
私が大好きな番組のひとつに
があります。
そこで紹介された山本直樹氏の『レッド』という漫画に
私は強く興味を惹かれました。
いわゆる「あさま山荘事件」を起こした若者たちが
内部リンチで仲間を殺害し、やがて崩壊していく様子が
ノンフィクションで描かれています。
そこに登場するのは、本当にごく普通の人達です。
彼らは政治や警察への不信感の元に集結。
最初は理想に燃え、合宿のような感覚で活動に没頭していきます。
しかし、集団が大きくなると組織を維持することを優先するようになり
やがて逃走者を制裁リンチで殺害。破滅へと突き進んでいきます。
私が読んでいて恐ろしくなったのは
組織からの脱退を希望する人を引き留めるために
彼らがとった行動が
現代の一般市民であるPTAの人達とほぼ同じだったからです。
脱退者を認めたら組織が成り立たない。
脱退者には罰を与える。
裏切り者は許さない。
これが集団心理の恐ろしさなのだと実感しました。
そして、この集団心理は人間だけでは無いようなのです。
>メジナは海の中で仲良く群れて泳いでいます。せまい水槽に一緒に入れたら、1匹を仲間はずれにして攻撃し始めたのです。(中略)広い海の中ならこんなことはないのに、小さな世界に閉じこめると、なぜかいじめが始まるのです。同じ場所にすみ、同じエサを食べる、同じ種類同士です。
私もアクアリウムを初めて、同じ状況を経験しました。
生き物は自由のない空間にいると
生存本能として攻撃的になり、いじめやカーストなどの力関係が発生するのでは
ないかと私は考えています。
去年、私たちを執拗に攻撃した保護者も
きっと家や会社では、普通の人なのだと思います。
しかし、ある集団に入ると
個人より組織が優先され狂気が暴走するのかも知れません。
『レッド』でも
真面目で従順な人がリンチの加害者となり
やがて被害者となり殺害されていきます。
生き残ったのは、完全に組織を見限り逃げた人だけでした。
私はいまPTAを退会して本当に良かったと思っています。
組織を変える事はできませんでしたが
わたし一人でもできる地域貢献がたくさんあり
今は自分のペースで無理なく行えているので
PTA組織で感じていたようなストレスや軋轢は全くありません。
もちろん、子どもへの影響も学校でのトラブルも(今のところ)ありません。
逃げるが勝ちといいますが
狂気に飲み込まれる前に
大きな海に戻って、自分を見つめ直すのも
もうひとつのPTA改革なのかも知れません。