【番外編】元小学校教師が教える 『学校との交渉術』
※これから記載する内容は、私の経験を元にした個人的な見解です。
学校との交渉!その前に知っておいて欲しいこと
- 「教師」は職業であり、人格ではありません。
先生は何でも受け入れてくれる聖人と思っている方がいます。
しかし、先生はただの人です。
「先生なんだから、これくらい言っても大丈夫」な事はありません。
一般社会と同じように、大人として敬意を持って接しましょう。
- 「学校」は24時間営業ではありません。
公立学校の先生は「地方公務員」です。当然、勤務時間が定められています。
学校により多少の差はありますが、一般的な勤務時間は8時~18時くらいです。
当然ですが、皆さんと同じように家には家族が待っています。緊急事態で無い限りは勤務時間内で連絡しましょう。
- 最終決定権は「校長」
担任の先生をつかまえて、永遠と話をされる保護者の方がいますが、
正直な話、担任レベルの先生に学校運営に関わるような決定権はありません。
担任の先生も管理職へ報告しなければならず、仕事が増えるだけです。
学校運営に関わるような内容は直接管理職(まずは教頭)にしましょう。
学校との交渉術
- 感情論ではなく、論理的に話す
学校には日々、多くの保護者から様々な意見が寄せられます。
その大半は、親たちの愚痴です。
教員たちは、テレオペのようにひたすら親たちの意見と言う名の愚痴を
彼らが満足するまで聞き続けます。
大抵の保護者は、自分の愚痴を聞いて貰うと満足して、それで終了です。
ほとんどの教員は「黙って聞いていれば満足して終わるだろう」と
話は半分も聞いていません。
ですから、感情論でなく、できるだけ具体的に論理的に話さないと
どんなに時間をかけて話をしても聞いてもらえません。 - 交渉の内容はすべて文書に残す
学校との交渉はすべて文書に残しておきましょう。
質問事項を予め箇条書きにして、交渉時に準備しておくと
話がスムーズに進めやすくなります。
また、重要な回答も文書で貰いましょう。
認識の相違や言葉の水掛け論を避けるだけでなく
学校にとっては文書で回答することは
一教員の意見で無く、学校全体としての認識になるので
口頭とは比較にならない効力があります。 - 必ず期日を確認する
先ほども書きましたが、学校は保護者の意見=愚痴としか思っていません。
ですから「対処します」「検討します」と言っても、積極的に動くケースはほとんどありません。
学校に確実に行動させたい時は、必ず期日を確認しましょう。
例えば、今回の情報漏えいに伴う、誓約書の提出についても
「いつ行うのか?」「その誓約書は誰が管理するのか?」など
できるだけ具体的に話を詰めていくことで、学校が実際に行動したかどうか?を後から確認できるようにしました。
ただし!保護者はアナタ1人ではありません!
学校は何百人という保護者を相手にしています。
期日を設定する場合は、2-3週間くらいは余裕を持って相談しましょう。
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感謝の気持ちも忘れずに
大切な事なので、もう一度書きますが
「教師は職業であって、人格ではありません」
教師もアナタと同じ、喜怒哀楽を持った「普通の人」です。
保護者の中には、児童のような親がいます。小学生のときの気分で「先生はどんな事でも解決してくれる」と
信じている人です。
しかし、先生はスーパーマンではありません。できる事もあれば、できない事もあります。
身を粉にして働いても「先生だったら当たり前」と感謝すらされません。でも、先生だって褒められたいんです。
交渉時も責めるだけではなく、感謝の気持ちもきちんと伝えられれば先生もきっと耳を傾けてくれると思います。
※ただし、保身に走りまくって、全く話を聞く気のない管理職も残念ながら存在します。そのような場合は、どんだけ誠意を持って話しても時間の無駄なので、第三者(教育委員会や弁護士)に入ってもらいましょう。